不動産会社で働いていると物件写真の撮影業務をすることが多いと思います。
近年、不動産テックと呼ばれるベンチャー企業が多くの不動産会社向けサービスを始めていて、さまざまな不動産業務をITで効率化するサービスがどんどん普及しています。
今回は不動産業務の中の『空室の撮影業務』は自社でした方が良いのか?代行サービスを利用した方が良いのか?それぞれメリット・デメリットを解説していこうと思います。
まずは不動産業者向けの空室物件の撮影代行サービスについて簡単に説明します。
不動産業者向け空室物件の撮影代行サービスとは
不動産業者向け空室物件の撮影代行サービスとは、その名の通り空室物件の撮影業務を代行するサービスです。
空室物件の撮影代行サービスを使うことで、今まで自社スタッフで撮影していた業務時間の削減ができ、より生産性の高い業務に集中することができますし、もちろん写真のクオリティも上がり、エンドユーザーからの反響数や入居率アップにも効果が期待できます。
代行サービスを使って空室の撮影業務をアウトソーシングするか、自社で撮影業務をするかで、例えば納品までの速さとか、写真のクオリティとか、コストはどちらの方が良いのかとかいろいろな比較点があると思ったので、資料でまとめてみました。
撮影のスピード
まずは撮影依頼から納品までのスピードの比較です。
これは自社スタッフの方がもちろん早いんじゃないかなと思います。
代行サービスを利用する場合と、自由度が全然違うと思います。
自社スタッフで撮影業務を行うのであれば、今日の予定に「ついでにこの物件の撮影しておいて」という感じで急遽予定を入れてもすぐに撮影を行うことができると思うので自社スタッフで撮影をする方が便利そうです。
ただし、スタッフが基本的にみんな忙しくしている会社では難しいかもしれません。
スキル・クオリティ
スキル・クオリティについてはいうまでもなく代行サービスの方が良いでしょう。
たまに不動産業者の中に、「うちは撮影が上手いスタッフがいる」 という会社もありますが、ハッキリ言ってレベルが違います。
部屋の撮影に精通していて撮影件数も桁違いなので、写真クオリティに関しては代行サービスの方が断然上です。
ただし、サービスによっては低価格でただ素人がパシャパシャ撮るだけの代行サービスもあるので、利用前に注意した方が良いかもしれません。
自社スタッフで撮影する場合は撮影者によってクオリティがバラバラになり、クオリティを統一するのはかなり難しいと思います。
あとは、撮影が上手いスタッフがもしやめてしまった時大変そうです。
コスト
コストに関しては、少し比較が難しかったのですが、不動産会社スタッフが写真のクオリティやアングルなどを気にせずパシャパシャ撮影だけをした場合だったら、もちろんコストはあまりかからないかもしれません。
ですが、代行サービスと同様の写真枚数やアングルなどに注意して撮影した場合は、代行サービスの方がコスパが良いと思います。
自社スタッフで撮影する場合は、移動・撮影にかかる時間のスタッフの給料時給(不動産営業マンが撮影業務を行うケースが多いと思うので正社員)、交通費、社会保険料、それに一眼レフ代や求人採用費用なども入れると総合的な運用コストは自社スタッフで撮影する方が割高な気がします。
ブランディングはオーナーに対して・他不動産会社に対して・エンドユーザーに対してで比較してみました。
代行サービスと自社スタッフで撮影場合では、代行サービスを利用した方が企業イメージアップにつながると思います。
やっぱりオーナーに対しても「ウチの会社は空室になるたびにプロのカメラマンに撮影をお願いして空室募集をしている」と言えば、オーナーは安心して管理を任せたいと思うはずです。
実際に当社サービスのクライアント様でもそういうブランディングをして新規オーナーを増やしている会社様もあります。
これはオーナーだけではなく、他の不動産会社に対しても仲介会社は出来るだけ綺麗な写真をエンドユーザーに見せ、内覧の時に「あれ?イメージしていた部屋とちょっと違った。。」というのを少しでも無くしたいし、エンドユーザーは家探しをするときは出来るだけわかりやすく、多くの情報を知りたいと思います。
おそらくオーナーに「自社スタッフで綺麗な撮影をしています」と言っても無理があると思いますし、『企業イメージ』に関しては代行サービスを利用した方が大きなメリットと、業績アップに繋がりそうです。
おとり広告対策
年々おとり広告が問題視されています。
おとり広告とみなされる可能性がある項目は「家賃」「初期費用など」「広さや築年数などの物件詳細」「物件写真や間取り図情報」があります。(おとり広告については
こちらから)
実は代行サービスを利用することは「おとり広告」になるリスクを減らすことにも繋がります。
おとり広告とは、その名の通り実際の情報とは違う物件情報をWebなどに掲載することです。
このおとり広告に引っかかってエンドユーザーが問い合わせをしたり、おとり広告で集客→来店させる→「もうこの物件は決まってしまった」などの嘘をつき他の物件を契約させるなどのことを防止するためにおとり広告の取り締まりが強化されています。
おとり広告には悪意を持って掲載しているパターンと不注意で掲載しているパターンがあります。
確かに人間が物件情報などを入力したりしているので入力ミスなどはあるでしょう。
ですが、不動産会社として事業を行なっている以上「不注意でした」ではいけません。
悪意がなくても「管理不足」として罰則となります。
では代行サービスを利用することはなぜおとり広告のリスク防止になるのでしょうか?
実はおとり広告の根源は物件情報を掲載している社員スタッフが原因であることがほとんどです。
店舗などで物件情報をポータルサイトなどに掲載しているのは社員スタッフなので、不動産会社からすれば当たり前だと思うかもしれませんが。
社員スタッフはエンドユーザーとのやりとりや売り上げノルマ、本当に様々な業務をこなしながら、物件情報の掲載も行なっています。
比較1の「撮影スピード」で説明したように自社で撮影する体制にしていると、ついつい他の業務を優先してしまい、物件の撮影ができなかったり、過去撮影していた同じ建物の別部屋の写真を使ったりしてしまいます。
それが結果的におとり広告となる訳です。
あとはシステム連携(コンバーター)などでも言えるのですが、他の不動産会社が掲載している情報をそのまま連動して掲載する仕組みにしていることによって、その情報の大元である会社がおとり広告を掲載していたら芋づる式でおとり広告を色々な会社が掲載してしまうということもありえます。
他社不動産会社が掲載している物件写真をコピーして無断転載するのも同様です。(その前に無断転載が問題ですが)
システムで連携していたのが理由でも、他社の写真をコピーしたのが理由でも管理不足で罰則になってしまいます。
なので、代行サービスを利用し、撮影業務をアウトソーシングすることがおとり広告防止になるというわけです。
◼️最後に
いかがだったでしょうか。
さまざまな視点から代行サービスを使った場合と、自社で撮影をする場合を比較しました。
どちらの体制でもメリットもあればデメリットもあると思いますが、代行サービスを利用して一部の業務をアウトソーシングする不動産業者は増えているので、一度考えてみてはいかがでしょうか。
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